ラグビーの時間
選手が伸びる練習の作り方。設計の5つの視点
コーチング練習づくり・技術指導

選手が伸びる練習の作り方。設計の5つの視点

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「今日の練習は何をしようか」。グラウンドに向かう道すがらメニューを決めている。そんなコーチは多いのではないでしょうか。

練習は形になります。でも選手が伸びているのかどうかは分からないまま時間だけが過ぎていく。そんな感覚が残ります。

原因はメニューの中身ではなく設計の手順にあります。状態の把握・目的の設定・キーポイントの絞り込み・難易度の調整・その場での修正。この5つを練習前に通すだけで同じ練習時間の中身が変わります。

自分も意識することを1個だけに絞らせた日は、決めたことを選手がアタック5〜6回のうち5回で実行できていました。

この記事を読んでわかること
  • 練習前の5分で確認する5つの視点
  • キーポイントを絞る理由
  • 難易度をどこに合わせるか

この記事を読むと練習前の5分で何を確認すればいいかが分かります。準備が決まっていれば当日は迷いません。グラウンドでは説明ではなく選手を見ることに時間を使えるようになります。

まず選手の状態と目標を把握する

練習を設計する前に必ず確認することがあります。今日の選手の状態と、チームが目指している方向です。

体調や疲れが残っている選手にハードな練習をやらせても怪我のリスクが上がるだけです。練習前に見るのは内容よりまず安全になります。

ぶつかると危険なものが近くにないか。選手の体調と道具は問題ないか。ここを確認してから中身の話に入ります。

もうひとつが目標の共有です。コーチだけが目標を知っていて選手が知らない。この状態では練習の目的が伝わりません。目指す場所と今日の練習のつながりは言葉にして渡します。

今の状態と目指す方向。この2つを押さえることが設計の出発点になります。

練習の目的を3段階で設定する

練習の目的には段階があります。①知る ②意識すればできる ③無意識でもできる、の3段階です。

「何回かできた」と「試合で自然に出る」は全然違います。「一回やらせたらできた。もう教えなくていい」はよくある思い込みなんです。

練習で100%できても試合では50%しかできないのが普通です。試合で当たり前に使えるようになる③の段階までには、繰り返しと時間がかかります。

りょうたコーチりょうたコーチ

今日の練習が①②③のどこを狙っているか。決めておくだけで構成が変わります!

キーポイントは1〜2個に絞る

コーチが陥りがちな落とし穴は知っていることを全部伝えたくなることです。

選手が一度に意識できることは限られています。一つの練習で3つも4つもポイントを伝えると選手は混乱して何も残りません。その練習で「これだけ」という一点を決めて、それ以外は見て見ぬふりをします。

気になったことはメモに残して次の機会に回す。この「言わない勇気」が指導の精度を上げます。

絞るときにもう一つ大切なのが、自分の要求を一語まで詰めておくことです。ある日の練習前、自分にこう問い直したことがあります。

「チャンスを作った場面でチャンスを作ってほしいのか、チャンスができたから回してほしいのか、ということをちゃんと伝えるということが大事かな」

選手の中では「チャンスを作れ」と「チャンスができたから回せ」は別物です。要求を曖昧にしたまま「もっと考えろ」と言っても伝わりません。

今日、自分は選手に何をしてほしいのか。一語レベルまで詰めてからグラウンドに立ちます。

難易度は選手がギリギリ成功できる線に

同じ練習でも人数やスペースの広さ、スピード、コンタクトの有無で難易度は変わります。

難しすぎると全然成功しなくてつまらない。簡単すぎると慣れてしまって物足りない。選手がギリギリ成功できるラインを探すことが集中を切らさない鍵になります。

調整の方向は2つです。難しすぎるならスペースを広げる。簡単すぎるならプレッシャーを加える。

時間を短くして強度を上げるやり方もあります。3分間のゲームを2分間に切り替え、その2分は一回も手を抜かないと要求する。長くやらせるほど質が上がるわけではありません。

成功率を見てその場で修正する

決めたメニューに固執しないことも設計のうちです。

成功率が高すぎれば難しくする。低すぎれば易しくする。選手の反応や表情を見ながらその場で変えていきます。

「今日の練習はこれで行く」と決め込むより、目の前の選手に合わせるほうが大切です。

まとめ

この記事のまとめ
  • 選手の状態とチームの目標を確認してから設計する
  • 目的を「知る/意識すればできる/無意識でできる」で決める
  • キーポイントは1〜2個に絞り、それ以外は次の機会へ回す
  • 難易度は選手がギリギリ成功できる線に調整する
  • 決めたメニューに固執せず、成功率を見てその場で修正する

練習の中身が先に決まっていると、グラウンドでの説明は短くなります。その分だけ選手を見る時間が増えて、一人ひとりの「できるようになったこと」に気づけるようになります。

次の練習の前に、今日伝えるキーポイントを1つだけ決めてメモしてください。それ以外は気になっても言わずにメモへ残しておく。始めるのはその1つだけで十分です。

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三原 亮太(りょうたコーチ)

三原 亮太(りょうたコーチ)

ラグビーの時間 代表

元近鉄ライナーズ。小・中学生専門のプロラグビーコーチ。「モチベーションレベルを高めて、次のステージへ」を信条に、選手と保護者に伴走しています。

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