ミスした選手につい「なんでパスできひんかったん?」と言ってしまう。言ったあとの空気が固まって、選手のプレーは次も変わらない。
コーチをしていれば誰でも一度はある場面だと思います。現場で何度も口から出かかってきました。
やることは口ぐせを一つ入れ替えるだけです。「なんで?」をやめて「どうすればよかった?」に変える。それだけで選手は責められたと感じず次の行動に頭が向きます。
自分も「難しい」「無理」という言葉をつい使いがちで、コーチ自身の口ぐせを整理しないといけないと思っているところです。
この記事を読んでわかること- 「なんで?」が選手を止める理由
- 代わりに用意しておく言葉
- パスを出さない子にかける言葉
この記事を読むと、なぜ「なんで?」が選手を止めるのかが分かります。代わりに用意しておく言葉も持ち帰れます。ミスのあとに選手が下を向かなくなり、仲間のミスを一緒にカバーし合うチームに変わっていきます。
「なんで?」は問いの形をした責める言葉
「なんで?」と聞かれた選手は考えるより先に萎縮します。
頭の中が「怒られている」でいっぱいになって肝心の「次どうするか」を考える余裕がなくなる。だから何度「なんで?」を繰り返してもプレーは変わらないのです。
自分が練習前の音声メモに残していた言葉があります。
「なんで?という言葉を使うと、選手は萎縮する。だから、どうやったらよかったと思う?とか、どうするべきだったとか、未来への解決策を提示するような言葉を使う」
過去を責めるか未来を一緒に考えるか。同じ「問いかけ」でも選手に残るものが正反対になります。
「どうすればよかった?」に変えるだけ
やることはシンプルです。「なんで?」を「どうすればよかった?」に変える。それだけです。
ミスした瞬間ならまず「ドンマイ」を先に置く。そのあとに「次はこうしてみよう」と続ける。この2段構えにするだけで選手は責められたと感じず次の行動に意識を向けられます。
りょうたコーチミスの直後はまずドンマイからです。次はこうしてみようはそのあとで大丈夫です。
言い方を変えたあと、選手から答えが返ってくるまでの間に耐えられるかも大事になります。そこはこちらの記事で詳しく書いています。
関連記事質問したあとの「沈黙」に耐えられますか質問したのに答えが返ってこない。その数秒が気まずくてつい言葉を重ねていませんか。沈黙を埋めた瞬間に子どもの考える時間は終わります。なぜ待つ必要があるのか。どうすれば待てるのか。指示を待たずに自分で判断できる選手を育てる待ち方をまとめました。これは選手同士の声かけにも効いてきます。コーチが「なんでや」と言う環境だと選手も仲間のミスに「なんで!」と言うようになる。
コーチの口ぐせはそのままチームの文化になります。
一度きつい言葉を言われた選手は次は仲間のミスを探すようになる。そうなったらチームは終わりです。逆にコーチが「次こうしよう」と声をかけ続けるチームは選手同士もカバーし合うようになっていきます。
パスを出さない子にかける言葉を変える
言い換えが一番効くのは「やってほしいのにやってくれない」場面です。
ボールを抱えてなかなかパスを出さない子に「なんで放らへんねん」と言ってしまう。でもこれは相手からすると怒られたという印象のほうが強く、ネガティブな気持ちしか残りません。
自分が伝えているのは逆のやり方です。その子がパスを出してくれた時に「今めっちゃ良かった」を何回も伝える。
ボールを持ってゲインを切れている時も否定はしません。まず「今のめっちゃ良かった」と認めます。
そのうえで「でもこっちも空いてるから、もっとゲインできたかもしれへん。次ボールくれへん?」と足す。放ってくれて自分がゲインできたら「今のめちゃくちゃ良かった、ありがとう、また来てね」と返します。
ここで生まれるのはパスが良かったという成功体験です。だからもう一回同じことをしてみようと思ってくれます。
明日、口ぐせを一つだけ変えてみる
この記事でお伝えしたのは一つだけです。過去を責める問いを未来を一緒に考える問いに置き換える。やることはそれだけです。
言葉が変わるとミスの直後の空気が変わります。下を向いていた選手が顔を上げて次のプレーを口にするようになります。仲間がミスした時にも「次こうしよう」と声が飛ぶチームになっていきます。
いきなり全部は変えられません。まずは明日の練習で「なんで?」という一言を自分の中で禁句にしてみてください。
代わりに用意するのは「どうすればよかったと思う?」と「次こうしてみよう」の2つだけ。これをポケットに入れておけばミスの場面で言葉に詰まりません。
選手を変えようとする前に自分の言葉を一つ変える。そこからコーチングは変わっていくと思っています。
この記事のまとめ- 「なんで?」を自分の中で禁句にする
- 代わりに「どうすればよかったと思う?」を使う
- ミスの直後はまず「ドンマイ」。そのあとに「次はこうしてみよう」
- やってほしいことをしてくれた時は「今めっちゃ良かった」を何回も伝える
- 選手を変えようとする前に、自分の言葉を一つ変える