「挨拶をちゃんとしなさい」。コーチがよく言う言葉です。
でも選手はこう感じているかもしれません。「ラグビーと、何の関係があるの?」と。
実は直接つながっています。
試合で一番苦しい場面に出るのはスキルではなく日常の習慣です。コーチが教えられるのはグラウンドの中まで。人間力はグラウンドの外で育ちます。
なぜ日常の積み重ねがプレーに出るのか。コーチに何ができるのか。順に整理します。
2026/7/20
「挨拶をちゃんとしなさい」。コーチがよく言う言葉です。
でも選手はこう感じているかもしれません。「ラグビーと、何の関係があるの?」と。
実は直接つながっています。
試合で一番苦しい場面に出るのはスキルではなく日常の習慣です。コーチが教えられるのはグラウンドの中まで。人間力はグラウンドの外で育ちます。
なぜ日常の積み重ねがプレーに出るのか。コーチに何ができるのか。順に整理します。
ラグビーで一番苦しい場面を思い浮かべてください。
80分の終盤。体が疲れきってオフサイドの誘惑に負けそうなとき。判定に納得がいかず感情的になりそうなとき。相手が倒れているのに手を差し伸べられるかどうか。
これはスキルの問題ではありません。習慣の問題です。
「挨拶をする」「ゴミを拾う」「人の話を最後まで聞く」。この当たり前を日常で積んできた選手は苦しい場面でも無意識に正しく動けます。逆にその積み重ねがない選手は同じ場面で判断を誤りやすいのです。
コーチはグラウンドでのスキルを教えられます。でも人間力はグラウンドの外で育ちます。日常の積み重ねから少しずつ育つものです。
「時間を守る」「怪我をした仲間を気にかける」「使ったものを元に戻す」。これは練習メニューには入れられません。でもそれが積み重なった選手はチームの空気そのものを変えていきます。
コーチが育てたいのは試合で活躍する選手だけではないはずです。
ラグビーを通して社会に出たときに信頼される人になってほしい。そう願うならグラウンド外の習慣にも目を向ける必要があります。
大切なのはコーチ自身が手本になることです。
選手に挨拶をさせたいならまずコーチが先に挨拶する。グラウンドを使い終わったら率先してゴミを拾う。遅刻したら素直に謝る。当たり前のことですがコーチという立場になるとつい忘れてしまいます。
立場が上になるほど当たり前を忘れます。私も遅れたときは素直に謝るようにしています。
コーチがミスを責めれば選手も仲間のミスを責めるチームになります。逆にコーチがミスを許して次への挑戦を促せば選手同士もカバーし合える。コーチの日ごろのふるまいがそのままチームに伝わっていきます。
人間力を育てることとラグビーの技術を磨くこと。どちらかを先に選ぶものではありません。
挨拶や思いやりを習慣にしながら技術も磨いていく。その両方が積み重なった選手が最後は一番強くなります。そして一番長くラグビーを楽しめる選手になる。私はそう思っています。
コーチが教えるのはラグビーのスキルだけではありません。コーチという仕事の範囲はもっと広いのです。

三原 亮太(りょうたコーチ)
ラグビーの時間 代表
元近鉄ライナーズ。小・中学生専門のプロラグビーコーチ。「モチベーションレベルを高めて、次のステージへ」を信条に、選手と保護者に伴走しています。
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