子どもに質問したのになかなか答えが返ってこない。その数秒が気まずくてつい「こういうことだよね?」と自分から言葉を重ねてしまう。
「例えばさ…」と具体例まで出してしまう。沈黙が長引くほどこちらの焦りは強くなる。コーチをしていれば誰でも経験のある場面だと思います。
結論から言います。答えが返ってくるまで待ってください。沈黙を埋めた瞬間に子どもの考える時間は終わります。
自分も6年生のゲーム中に「戻れ」「追っかけろ」と声をかけ続けてしまった日があります。
この記事を読んでわかること- 沈黙を埋めてはいけない理由
- 待つためのコツ
- 待てるコーチが育てる選手の姿
この記事では沈黙を埋めてはいけない理由と待つためのコツをお伝えします。読み終えたころには質問のあとの数秒が怖くなくなります。誰かの指示を待たずに自分で判断して動く選手が育っていきます。
待てないコーチが考えない選手を作る
子どもとの会話で一番大事なのは「待ちの姿勢」だと思っています。
こちらが質問を一つしたら答えが来るまでゆっくり待つ。これができるかどうかで子どもの育ち方が変わります。
すぐに答えが返ってこないことに焦って大人が言葉を重ねる。すると子どもは混乱します。「あれ、何を聞かれてたんだっけ」。せっかく動き始めた思考がそこで止まってしまう。
「なんか上手くいってないな」と感じるときは、だいたい自分がしゃべり過ぎている。
そしてこれを続けると子どもは学習します。「黙っていれば、コーチが答えを言ってくれる」と。そうなったら自分の頭で考えなくなります。
コーチが良かれと思って埋めた沈黙が考えない選手を作ってしまうのです。
試合中、状況を判断するのは選手自身です。普段から自分で考える習慣がない子はいざという場面でも誰かの指示を待ってしまいます。
「ゆっくり考えていいよ」の空気で待つ
やることはシンプルです。質問したら答えが返ってくるまで待つ。それだけです。
コツは「ゆっくり考えていいよ」という空気を出すこと。急かさず責めずただ待つ。表情も大事です。こちらが焦った顔をしていると子どもはプレッシャーを感じて余計に固まります。
時間はかかります。10秒、20秒の沈黙は大人にとってけっこう長い。でも待てばちゃんと答えは返ってきます。
りょうたコーチ沈黙の10秒は大人にはとても長いです。でもそこで口を挟まず待ってみてください。
自分の言葉で答えられたときその子の中に「考えて、答えを出せた」という成功体験が残ります。
もう一つ。基礎を「伝える」こととそれを使ってどうするかを「問いかける」ことは使い分けが必要です。まだ基礎を知らない子に問いかけても考えようがありません。土台を渡したうえで初めて「どうする?」が効いてきます。
待った先に選手の言葉が出てくる
待つとどうなるのか。実際の場面をひとつ挙げます。
コンタクトの練習で「後ろから来たらどうやって耐えたら耐えれそう?」と聞きました。すぐには答えが返ってきません。
そこで黙って待っていると、選手のほうから「後ろに体重をかける」という答えが出てきました。
こちらが用意していた答えと同じでした。でも自分で言葉にしたぶん、そのあとの動きが変わります。
出てきた答えは否定せず、まず受け止めます。そのうえで足りない部分を足していけば十分です。
まとめ:明日の練習で試すこと
待てないコーチが考えない選手を作ってしまう。やることは質問したあとに黙って待つ。それだけです。
待てるようになると選手の口から自分の言葉が出てきます。声をかけなくても自分で判断して動ける選手に変わっていきます。
明日の練習で1つだけ試してください。質問したあと答えが返ってくるまで口を開かない。まずは1回でかまいません。
この記事のまとめ- 質問したら、答えが返ってくるまで待つ
- 急かさず責めず、焦った表情も見せない
- 沈黙を埋めると「黙っていれば答えが来る」と学習してしまう
- 基礎を伝えたうえで「どうする?」と問いかける