子どもに質問したのになかなか答えが返ってこない。
その沈黙が気まずくてつい「こういうことだよね?」「例えばさ…」と自分から言葉を重ねてしまう。
コーチをしていれば誰でも経験がある場面だと思います。でも実はこれが子どもの「考える時間」を奪ってしまっているんです。
なぜ沈黙を埋めてはいけないのか。どうすれば待てるのか。順に整理します。
2026/7/20
子どもに質問したのになかなか答えが返ってこない。
その沈黙が気まずくてつい「こういうことだよね?」「例えばさ…」と自分から言葉を重ねてしまう。
コーチをしていれば誰でも経験がある場面だと思います。でも実はこれが子どもの「考える時間」を奪ってしまっているんです。
なぜ沈黙を埋めてはいけないのか。どうすれば待てるのか。順に整理します。
子どもとの会話で一番大事なのは「待ちの姿勢」だと思っています。
こちらが質問を一つしたら答えが来るまでゆっくり待つ。これができるかどうかで子どもの育ち方が変わります。
すぐに答えが返ってこないことに焦って大人が言葉を重ねる。すると子どもは混乱します。「あれ、何を聞かれてたんだっけ」。せっかく動き始めた思考がそこで止まってしまう。
しかもこれを続けると子どもは学習します。「黙っていれば、コーチが答えを言ってくれる」と。そうなったら自分の頭で考えなくなります。
コーチが良かれと思って埋めた沈黙が考えない選手を作ってしまうのです。
試合中、状況を判断するのは選手自身です。普段から自分で考える習慣がない子はいざという場面でも誰かの指示を待ってしまいます。
やることはシンプルです。質問したら答えが返ってくるまで待つ。それだけです。
コツは「ゆっくり考えていいよ」という空気を出すこと。急かさず責めずただ待つ。表情も大事です。こちらが焦った顔をしていると子どもはプレッシャーを感じて余計に固まります。
時間はかかります。10秒、20秒の沈黙は大人にとってけっこう長い。でも待てばちゃんと答えは返ってきます。
沈黙の10秒は大人にはとても長いです。でもそこで口を挟まず待ってみてください。
自分の言葉で答えられたときその子の中に「考えて、答えを出せた」という成功体験が残ります。
もう一つ。基礎を「伝える」こととそれを使ってどうするかを「問いかける」ことは使い分けが必要です。まだ基礎を知らない子に問いかけても考えようがありません。土台を渡したうえで初めて「どうする?」が効いてきます。
次に質問をしたら答えが返ってくるまでぐっとこらえて待ってみてください。その数秒の沈黙が自分で考えられる選手を育てます。

三原 亮太(りょうたコーチ)
ラグビーの時間 代表
元近鉄ライナーズ。小・中学生専門のプロラグビーコーチ。「モチベーションレベルを高めて、次のステージへ」を信条に、選手と保護者に伴走しています。
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