子どもの上達のために家で何かしてあげたい。でも技術のことは分からない。
それで大丈夫です。技術を教えるのはコーチの仕事で、親には親にしかできないことがあります。
以前「試合を見に行くと父親が息子のプレーにあれこれ言ってしまう。間に入っての関わり方に悩んでいます」という相談をもらったことがあります。よかれと思っての一言が、かえって子どもを遠ざけてしまうことがあります。
この記事を読んでわかること- 自主練に付き合うときに、親がやることとやらないこと
- ラグビーIQが伸びる環境の整え方と、一緒に観るときの聞き方
- 試合直後と帰りの車でやってはいけないこと
3つともラグビーに詳しくなくても今日から始められます。続けていくと、子どものほうから練習の話をしてくれるようになります。
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1つ目:練習に付き合う。ただし教えない
まずは練習に付き合うことです。
ここで一番やってはいけないのが、親がメニューを作ってしまうことです。
自主トレのメニューまで親が用意してしまうと、子どもの「自分で考える力」が育ちません。やることを与えられ続けた選手は、自分で組み立てられなくなります。
理由はもう1つあります。
親に言われてやってきた選手は、うまくいかなくなったときに「親に言われたから」が逃げ道になってしまいます。
自分で決めた練習なら逃げ道がありません。「自分で決めたでしょ」と向き合えます。この差が後の粘りに効いてきます。
やらないこと
メニューを決める
教える・指示する
やることを用意してあげる
やること
一緒にやる・聞く
測定に付き合う
子どもに教えてもらう
親がやるのは決めることではなく、付き合うことです。測定を一緒にやるくらいの距離感がちょうどいいです。メニューを決めるのは本人。親はそれに付き合う側にまわります。
家での練習には意味があります。技術はまず自主トレでできるようになります。次がチーム練習。最後に試合で出せるようになります。家での時間はその1段目です。
りょうた
コーチメニューを決めるのは本人です。親は「一緒にやる人」でいてあげてください!
もう1つおすすめなのが、子どもを「先生」にすることです。ラグビーのことを子どもに質問して、教えてもらってください。会話が深まるだけでなく、説明しようとすることで本人の理解も上がります。
それでも何か伝えたいときは、4つだけ気をつけてください。
- まずよく観察して、質問する
- 命令ではなく「提案」として伝える
- コーチの指導と食い違っていないか確かめる
- 要点は1つに絞る
タイミングも大事です。疲れているときに言っても右から左に流れます。本人が話したいときにちゃんと聞いてあげるのが基本です。
2つ目:ラグビーIQが伸びる環境を整える
2つ目が、今日いちばん伝えたいことです。
親にできる一番のサポートは、いつでも質の高いラグビーを観られる環境を整えてあげることです。
プロの試合は正解パターンの宝庫です。トップの選手が「この状況ならこうする」という判断を80分間ずっと見せてくれています。
それを何度も観てきた子と一度も観たことがない子では、判断の引き出しの数が変わってきます。
ここでも専門知識はいりません。ルールや戦術を知らなくても、観られる環境を用意することはできます。
体を休めながら映像を観るのは立派な「頭のトレーニング」です。休みながら上手くなれる時間だと思ってください。
一緒に観るときは自分が純粋に気になったことをそのまま聞いてみてください。
声かけ例「今のって、なんでトライになったん?」
「あれって実はどうやったん?」
ラグビーに詳しくなくて大丈夫です。むしろ知らないほうが自然に聞けます。聞かれた子どもは説明しようとして、自分の頭の中を言葉にします。
答えられないこともあります。そこで親が答えを言ってしまうと終わりです。親が答えを探すのではなく、子どもが自分で答えを見つけられるようにしてください。
「もう一回戻して観てみない?」「スローでも観られるみたいよ」。この一言があるだけで、子どもは自分でもう一度確かめにいきます。
そのためには、あとから巻き戻せる状態にしておくことが大事になります。どこで観られるかは次にまとめます。
くわしい観方は選手向けの記事にまとめています。お子さんと一緒に読んでみてください。
試合はどこで観られるか
高いレベルの試合を観られるのは、おもにJ SPORTSとWOWOWの2つです。国内の試合をメインで観たいならJ SPORTS。海外の試合をメインで観たいならWOWOW。まずはこの覚え方で大丈夫です。
国内の試合を
メインで観たい
▼
J SPORTS
リーグワン・大学ラグビー
全国高校ラグビー大会
海外の試合を
メインで観たい
▼
WOWOW
シックス・ネーションズ
スーパーラグビー パシフィック
1年でどの大会がいつあって、どちらで観られるのかをまとめました。
J SPORTSだけで観られる(国内)
リーグワン(12月〜6月)
大学ラグビー(9月〜12月)
全国高校ラグビー大会(12月〜1月)
全国高校選抜大会(3月〜4月)
WOWOWだけで観られる(海外)
シックス・ネーションズ(2月〜3月)
スーパーラグビー パシフィック(2月〜6月)
ブレディスローカップ(10月)
両方で観られる(世界のトップ)
ネーションズチャンピオンシップ(11月・7月)
グレイテスト・ライバリー(8月〜9月)
南半球テストマッチシリーズ(8月〜9月)
日本代表戦(6月〜11月)
横軸は8月から翌7月まで。数字は月です。
※このカレンダーは2026年の放送・配信予定をもとにしています。大会の時期も放送するサービスも年によって変わるので、最新の情報は各サービスの公式サイトで確認してください。
※グレイテスト・ライバリーというのは、ニュージーランド代表が南アフリカに遠征するツアーのことです。
J SPORTSだけでも1年中ラグビーが途切れません。まず1つ選ぶなら、国内の試合が続くJ SPORTSからで大丈夫です。
選ぶときは「オンデマンドで観られるか」を基準にしてください。巻き戻しとスロー再生ができるからです。
お子さんと一緒に観ていると「今のプレーってどういうこと?」と気になる場面が出てきます。そこで止めて、巻き戻して、そのまま本人に聞いてみてください。
声かけ例「今の、もう一回戻して観てみよ」
「なんであそこにパスしたん?」
親が答えを教える必要はありません。戻して見せて、質問する。それだけで子どもは自分の頭で考え直します。これが家でできる、考える力のサポートです。
ライブだと一度流れてしまうと確かめられません。オンデマンドなら、気になった瞬間をその場で親子の会話に変えられます。
親御さんの名義で申し込むなら、Amazonのプライムビデオからが試しやすいです。3日間の無料期間があります。
お子さんが中学生以上なら、J SPORTS公式の「U25プラン」のほうが安く済みます。ただし契約するのは本人である必要があります。学生証などの本人確認書類と、保護者の方の同意が要ります。小学生のお子さんは有料の契約ができないので、その場合は親御さんの名義になります。
試合を観るならこの2つ国内の試合をメインで観るなら J SPORTS
- リーグワン・大学ラグビー・全国高校ラグビー大会が観られる
- Amazonプライムビデオから3日間の無料体験ができる
- お子さんが中学生以上なら公式のU25プランが安い
Amazonで3日間無料で試す
J SPORTS公式でU25プランを見る
海外の試合をメインで観るなら WOWOW
- シックス・ネーションズやスーパーラグビー パシフィックが観られる
- ネーションズチャンピオンシップは全42試合を配信
WOWOWオンデマンドを見てみる(海外の試合)
※料金・無料体験の期間・放送内容は変わることがあります。最新の情報は各サービスの公式サイトで確認してください。
3つ目:安心できる家庭環境をつくる
3つ目が土台です。ここが崩れると上の2つは効きません。
コーチは技術と成長を支える専門家。親は生活と心を支える専門家です。
グラウンドの指導はコーチに任せて、家では安心できる居場所づくりに徹してください。どれだけ失敗しても味方でいてくれる。その安心感が、思い切って挑戦できる子を育てます。
とくに気をつけたいのが試合の直後です。
試合直後・帰りの車で
ダメ出し・反省会
密室での質問攻めは
子どもを追い詰めます
まず最初に
よく頑張ったね
気持ちを受け止める
技術の話は日をあらためる
帰りの車も同じです。試合と関係ない話をしたり、好きな音楽を聴いたりする時間にしてください。
りょうた
コーチ正論やダメ出しはコーチが引き受けます。家は休む場所でいてあげてください!
普段の声かけは減点方式ではなく加点方式です。ミスを指摘するより、できたことや挑戦したことに目を向けてください。
褒めるときは結果よりプロセスです。トライが取れたかだけでなく、そこに至るまでの工夫や昨日より伸びた部分を具体的に伝えてあげてください。「今日は声が出てたね」。そういう一言のほうが残ります。
体の土台も家庭の仕事です。運動・食事・睡眠の3つがそろって初めて練習が身になります。
- 休養は最強のトレーニング。練習しすぎは怪我のリスクを上げる
- 食事は完璧な栄養より、家族で「美味しいね」と囲む食卓を優先する
- 寝る1時間前にスマホを置く。入浴は90分前までに。寝室は真っ暗に
最後に1つだけ。比べる相手はよその子ではなく過去のわが子だけです。半年前や昨日と比べて伸びたところを見つけてあげてください。
まとめ
この記事のまとめ- 練習のメニューは本人に決めさせる。親は測定などに付き合う側にまわる
- 教えるより、子どもを「先生」にして質問する
- 一番のサポートは、質の高い試合をいつでも観られる環境を整えること
- 一緒に観て気になったことを聞く。答えは親が言わない
- 褒めるのは結果よりプロセス。比べる相手は過去のわが子だけ
- 家は安心できる居場所。試合直後と帰りの車ではダメ出しをしない
3つ全部をやろうとしなくて大丈夫です。わが子に合いそうなものを1つだけ、今週から試してみてください。それだけで、子どもがラグビーの話をしてくれる時間が少しずつ増えていきます。