自分たちより強いチームと試合をして「なぜこんなにトライを取れるのだろう」と感じたことはないでしょうか。体格や速さも理由の1つかもしれませんが、それだけでは説明がつきません。もし理由がそれだけなら、そのチームも本当に強い相手からはトライを取れないはずです。
強いチームがしているのはアタックの「準備」です。この記事ではその準備を3つに分けて解説します。
2026/7/13
自分たちより強いチームと試合をして「なぜこんなにトライを取れるのだろう」と感じたことはないでしょうか。体格や速さも理由の1つかもしれませんが、それだけでは説明がつきません。もし理由がそれだけなら、そのチームも本当に強い相手からはトライを取れないはずです。
強いチームがしているのはアタックの「準備」です。この記事ではその準備を3つに分けて解説します。
ただのポジショニングではなく「早い」ポジショニングが重要です。スクラムやラインアウトはお互いが並んでから始まります。しかしそれ以外のプレーでは、アタック側は相手ディフェンスがセットするのを待つ必要がありません。
たとえばあるところでタックルが起きて、アタックが次の攻撃のためにポジショニングするとします。ディフェンスはアタックの動きを見てから同じ方向にラインを作りに行きます。
アタックがディフェンスより早くポジショニングしてボールを出せれば、ディフェンスラインがきれいに揃う前に仕掛けられます。チャンスの多い瞬間を突けるのです。
アタックがゆっくりポジショニングすると、ディフェンスにセットする時間を与えてしまいます。いざ攻めようとしたときにはどこにもスペースがない。そんなことになりかねません。
相手より早くポジショニングし、ディフェンスが準備できる前に攻め続けることを意識しましょう。
周りを見るとは自分の周りの状況を確認することです。ディフェンスの立ち位置、横にいる味方、ボールの位置。こうしたものを見ます。今どこにチャンスがあり次どこを攻めるのか。それをチーム全体で見極めるために欠かせません。
同じ場面でもボールの近くにいる選手と遠くにいる選手とでは、見えているものが違います。ボールの近くの選手からはスペースがないように見える。それでも遠くの選手の前には大きなスペースが空いていることがあります。
トライが取れないチームはチャンスがないわけではありません。
選手全員の体がボールの方を向いてしまい、目の前のチャンスに誰も気づけていない。そんなケースが少なくありません。
ボールを見る時間を少し減らし、体を真正面のゴールラインに向けてみましょう。そうしてチャンスを探すだけで取れるトライは大きく増えます。
3つ目はコミュニケーションです。周りを見て確認したことを味方に伝え、味方からの言葉を聞くこと。「前が開いている」「後ろに誰もいない」といった声かけです。
コミュニケーションが大事だとよく言われますが、多くの選手は「伝える側」ばかりを意識しがちです。実はここにコミュニケーションミスのいちばん多い原因があります。
伝えることばかり意識していませんか。聞くことも同じくらい大事です!
たとえば外側の選手が「外側にチャンスがあるから回して」と大声で伝えたとします。しかし内側の選手には伝わっておらず、ボールを持った瞬間に相手に当たってしまう。こんな場面があります。
この原因は外側と内側の「間」にいる選手であることが多いのです。間の選手には外側からの声がよく聞こえています。そのため「内側にも伝わっているだろう」と思い込み、ただ待ってしまうのです。
ラグビーのコミュニケーションは伝言ゲームです。味方から声が聞こえたら必ず他の味方に伝えましょう。
強いチームは常にチーム全員が分かった状態でプレーしています。どこにスペースがあり次にどんなアタックをするのか。それを全員で共有しているのです。
早いポジショニング、周りを見る、コミュニケーション。この3つに共通しているのは、スキルや体の能力が一切関係ないということです。意識を変えるだけで誰にでもできます。
パスやステップといったスキルは習得に時間がかかります。しかしこの準備は意識を変えた次のプレーから、すぐに結果が出ます。

三原 亮太(りょうたコーチ)
ラグビーの時間 代表
元近鉄ライナーズ。小・中学生専門のプロラグビーコーチ。「モチベーションレベルを高めて、次のステージへ」を信条に、選手と保護者に伴走しています。
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