「もっとこっちに走れ!」
「今のパスはダメだ!」
試合を見ているとわが子のプレーについ声が出てしまう。応援しているからこそ黙って見ていられない。その気持ちはすごくよく分かります。
でも結論から言うとグラウンドの中はコーチに全面的に任せて大丈夫です。保護者の役割は生活と心の土台をつくることです。役割を分けるだけで子どもは迷わなくなります。
保護者の方から「パパがプレーにあれこれ言うのが嫌になってしまって」という相談を何度も受けてきました。
この記事を読んでわかること- 選手・保護者・コーチの3つの役割
- 家でどうしても言いたいときの伝え方
- 声をかけるのを我慢したほうがいい理由
この記事では選手・保護者・コーチの3つの役割と家で伝えたい時の言い方が分かります。声をかけるのを我慢する時間が「わが子の一番のファンでいる時間」に変わります。試合の日が親子で楽しみになるはずです。
「お父さんコーチ」が子どもを混乱させる
子どもの成長を支える体制は「選手」「保護者」「コーチ」の3者で成り立っています。ひとつのチームのようなものです。
この3者にはそれぞれ役割があります。問題が起きるのはその役割が混ざってしまったときです。
よくあるのが良かれと思ってグラウンドの外からコーチとは違う技術的な指示を出してしまうケース。これをやると子どもは誰の言うことを聞けばいいのか分からなくなります。「コーチの言うことを聞けばいいのか、お父さんお母さんの言うことを聞けばいいのか」。そう迷ってしまうのです。
ではプレー中は何と声をかければいいのか。前向きな言葉で一緒に楽しむだけで十分です。
試合中の声かけ例「ナイスプレー! いいぞ、その調子!」
「ドンマイ! 次いこう、次!」
グラウンドの中の技術や戦術、メンバー選びはコーチの専門領域です。ここは信頼して全面的に任せる。これが子どもが迷わずプレーに集中できる前提になります。
親の役割は「土台づくり」
では保護者の役割は何か。それはコーチには決してできないもっと大切なものです。
ひとつは生活の土台。バランスの良い食事、十分な睡眠、適切な休養。子どもが毎日元気に練習に行けるコンディションを整えること。
りょうたコーチごはんと睡眠を整えてあげるだけで十分な支えになります。技術はこちらに任せてください。
もうひとつは心の土台。結果や勝ち負けに関わらず子どもの一番のファンでいること。「どんな時でもあなたの味方だよ」と伝え安心感を与えること。これは親にしかできない最大の役割です。
そして楽しむ気持ちの土台。勝ち負けにこだわりすぎず親子でスポーツを楽しむ。「できた!」を一緒に喜ぶ。その雰囲気が子どもの「やりたい!」を支えます。
グラウンドの中はコーチ、グラウンドの外は保護者。この役割分担がはっきりしていると子どもは二方向からしっかり支えられます。だから安心して伸びていけるのです。
どうしても言いたい時は提案として一つだけ
とはいえどうしても家でアドバイスしたくなる日もあると思います。そんなときは3つだけ意識してみてください。
ひとつめ。いきなり言わずまず本人に聞いて考えさせる。ふたつめ。「こうしろ」と指示するのではなく提案として伝える。みっつめ。あれもこれもではなくいちばん伝えたいことをひとつに絞る。
家で伝えたい時の声かけ例「今日のプレーどうだった?」
「こういうやり方もあるかもね」
でも基本は「一番のファン」でいることに徹する。これがいちばん効きます。
技術はコーチに任せてお父さんお母さんは子どもの心と体の土台を守る。その役割に集中する。それが結果的に子どもをいちばん伸ばすサポートになります。
まとめ
子どもを支えているのは選手・保護者・コーチの3人チームです。グラウンドの中はコーチに任せ、外の土台は保護者が守る。役割がはっきりしているほど子どもは迷わずプレーに集中できます。
この記事のまとめ- グラウンドの中の技術・戦術・メンバー選びはコーチに任せる
- コーチと違う指示を出すと子どもは迷ってしまう
- 親の役割は生活・心・楽しむ気持ちの3つの土台づくり
- 家で言いたくなったら本人に聞く・提案で伝える・ひとつに絞る
- 基本は「一番のファン」でいることに徹する
指示をやめた分だけ「ちゃんと見てくれている」という安心感が子どもに届きます。応援席は評価する場所ではなくわが子の一番のファンでいられる場所に変わります。
明日の試合や練習ではまず1つだけ試してみてください。プレー中は指示を出さずに終わったあとで本人に感想を聞いてみる。それだけで十分なサポートになります。
全部を完璧にやろうとしなくて大丈夫です。わが子に合っていそうなところから少しずつで構いません。